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重要事項説明書 所有権にかかわる権利?所有権以外の権利ってなに?

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重要事項説明書_所有権関連

賃貸事務所の重要事項説明書の中に、「登記簿に記載された事項」というものがあります。
建物の登記簿に記載されている所有者の氏名と住所、それから所有権にかかわる権利(甲区)所有権以外の権利(乙区)の有り無しを説明する項目なのですが、所有権にかかわる権利とそれ以外の権利って何のことなのでしょうか。
そして、そもそも登記簿とは何なのか。
普段あまり見ることのない登記簿は、見ただけでは何の事が書いてあるのかよく分からないと思います。
そこで今回は、登記簿には何が書いてあって、それを見ることによって何がわかるのかご紹介します。

 

 

重要事項説明書では有りか無しかを確認

所有権にかかわる権利(甲区)が無しの場合、所有者に関する事が記載されているだけなので何ら問題はありません。
しかし、有りとなっている場合は、差押登記や仮登記などがされている可能性があります。
この場合、抹消されていなければその取引は危険なので、登記簿でも確認することが必要です。
所有権以外の権利(乙区)が無しの場合、それは抵当権などの担保権や地上権などの用益権が無いということです。
つまり、無借金、または返済が終わっていることを意味しますので何の問題もありません。
有りの場合、それは、抵当権が付いている可能性が高いでしょう。
しかし、ほとんどの賃貸オフィスビルは抵当権が付いていますので、重要事項説明では有りと説明されることが多くなります。
登記簿には、その借入額なども記載されていますので、確認してみて下さい。

注意しなければならないのは、万が一所有者が返済しきれなくなった場合です。
その建物は競売にかけられることとなり、入居者は退去(6ヶ月の猶予)しなければならないということになってしまいます。
そのようなことは、滅多にありませんが、念のため登記簿の見方をここで勉強してみましょう。

では、登記簿のどこに注目して、どのように見ればいいかご紹介します。

不動産の記録

不動産登記簿とは、不動産の権利関係を法務局にある登記簿に記録する制度のことです。
それぞれの不動産について、誰が所有していて、担保が付いているかどうかも登記されます。
売却によって所有者が変わったり、新しく抵当権などの権利が設定された場合など、その不動産に対する権利関係に変化が起こるときに登記しますので、不動産の記録として見ることができます。

登記簿は3部構成

登記されている事項は、登記事項証明書で確認することができます。
登記事項証明書は大きくわけて3つにわかれて構成されています。

  • 表題部
  • 権利部(甲区)
  • 権利部(乙区)

重要事項証明書_所有権関連_1

表題部は不動産の物理的状況を表す。

まず、証明書の一番上にある表題部。
この表題部には、以下のものが表記されています。

  • 所在と地番
  • 家屋番号
  • 種類
  • 構造
  • 床面積など

重要事項証明書_所有権関連_表題部

家屋番号
建物を特定するための番号のこと。
土地にはその土地を表す地番がついていますが、建物にも家屋番号という番号が付けられています。

種類
その建物の用途とい言ってもいいでしょう。
主に「居宅」「事務所」「共同住宅」「店舗」「共同住宅」というように表記されています。

構造
「鉄筋コンクリート造」や「木造」などの建物の構造材料や屋根の種類、階数を表します。

床面積
各階ごとの面積が記載されています。

このように表題部には、不動産の物理的な状況が記載されています。

 

 

権利部(甲区)は所有権

次に権利部の甲区です。
この甲区に記載されているのは、所有権に関する事項です。

  • 順位番号
  • 登記の目的
  • 受付年月日と受付番号
  • 原因
  • 権利者その他の事項

重要事項証明書_所有権関連_甲区

順位番号
登記された順番を表しています。
この順位によって、権利の優劣が決まっています。

登記の目的
新築した場合の所有権保存や売買や相続などによる所有権移転など、所有権についてどのような目的で登記されたのかを表します。

受付年月日と受付番号
登記を受け付けた日と番号です。
これらは、登記の優劣を決めるときに大事なものになってきます。

原因
売買、相続、贈与など、どうしてその所有権に関する権利を得たかという原因を記載します。

権利者その他の事項
その不動産の所有者が誰であるか、氏名と住所が記載されています。
新しく所有権が移ったりした場合に登記申請がされると、新所有者の名前が記載されていきます。
共有者がいる場合は、それぞれの氏名と持分割合も記載してあります。

この甲区では、差押登記や所有権仮登記、買戻し特約の権利を確認することができます。
これらの権利が設定されていなければ、重要事項説明書では、所有権にかかわる権利は「無し」と説明されます。
差押え等になっていないかどうかを確認するためですから重要ですね。

 

 

権利部(乙区)は所有権以外の権利について

所有権以外の権利とは、例えば、抵当権や根抵当権、質権などの担保権、地上権や賃借権などの用益権があります。
担保権とは、ローンなどの債務が返済できなくなった場合に、その不動産を売却して代金から返済を受ける権利、用益権は他人の不動産の使用ができる権利のことです。
権利部(乙区)では、これらの権利が設定されているかどうか、以下の項目で記載がされます。

  • 順位番号
  • 登記の目的
  • 受付年月日と受付番号
  • 原因
  • 権利者その他の事項

重要事項証明書_所有権関連_乙区

順位番号
甲区と同じく登記された順番を表していて、権利関係の優劣を決めるものです。
乙区では、特にこの順位は重要で、抵当権などは、一つの不動産に複数の設定ができるので、誰がその不動産で優先的な権利を持っているのか、この登記順位によって決まります。

不動産を所有しているAにお金を貸しているB銀行とC銀行があるとします。
B銀行は1番抵当権、B銀行を2番とします。
このような状況で、もし所有者Aが返済できなくなった場合は、抵当権が実行されることになり、競売にかけられます。
この時、順位番号1番のB銀行は2番のC銀行より優先的に弁済を受けられることになります。
2番抵当権を持つC銀行は、B銀行がお金を回収した後、売却代金の残りから回収することになります。

登記の目的
抵当権設定など、どんな目的で登記されたのか記載されています。

受付年月日と受付番号
甲区と同様に受け付けた日と番号です。
登記の優劣を決めるときに大切な項目です。

原因
権利を得た原因を表します。
抵当権の場合であれば、お金の貸借が原因になりますので、「平成○○年○月○日金銭消費貸借平成○○年○月○日設定」というように記載されます。

権利者その他の事項
権利の内容についての記録です。
抵当権であれば、債権額、利息、損害金、債務者、抵当権者が記載されます。
ここを見るとどんな内容の権利が付いているのかがわかります。

このように、乙区には所有権以外の権利が記載されています。
賃貸事務所の場合、ほとんどの物件は抵当権が設定されているので、重要事項説明書では、「所有権以外の権利」は有りと記載されていることが多いです。

重要事項の説明では、有りか無しかで説明を受けると思います。
説明書には、登記簿謄本が添付されていますので、今回の記事を参考に内容も確認してみて下さい。

 

豆知識
登記簿謄本を見ると、記載されている内容に下線が引かれているものがあります。
これは、強調する意味ではなく、その事項が抹消されていることを表しています。
下線が引かれているものがあれば、それはもう無いということです。